1.開催日時
2021年3月10日(水) 午前10時~正午
2.開催場所
富山電気ビル4階 8号室
3.出席者
出席委員(敬称略)
委員長
長尾治明 (富山国際大学 現代社会学部名誉教授)
副委員長
加藤泰喜(富山商工会議所企画総務部 部長)
委員
岡本由紀恵(富山市企画管理部広報課 課長)
島川智子(株式会社島川 取締役)
武内孝憲(株式会社牛島屋 代表取締役社長)
原井紗友里(株式会社Oz Links 代表取締役)
舟本幸人(一般社団法人富山県芸術文化協会 副会長専務理事)
水上庄子(富山ユネスコ協会 副会長)
ケーブルテレビ富山
尾島社長、喜内常務、宮田取締役技術部長、島倉取締役営業部長、
森田番組制作部長、中田副部長、山上課長、前田課長代理、石原(事務局)
4.議題
(1)2020年度 下期の自主制作番組について
(2)番組視聴、審議
「新プライド~富山の仕事人~ #38 道路作業員 谷口純一」
(第58回ギャラクシー賞 上期入賞作品)
(3)前回審議会でのご意見・ご要望に対する取り組み
5.審議
■高精細4K映像で富山の仕事人に迫る番組「新プライド~富山の仕事人~ #38 道路作業員 谷口純一」について
・仕事は地味なところがほとんどであり、仕事にスポットを当てて、素晴らしい番組を制作されたのが大変良かった。
・不思議なのは、通常であれば、引いた白線に粉を掛けているところとか、作業車にハンドルが二つあることや、立山黒部アルペンルートの白線作業で前後に作業員が走りながら取り組んで疲れないのかとか、説明が一切なく、無駄なものをすべてそぎ落として出来上がったのが、この番組という印象を受けた。どの段階でこのような構成で番組を作ろうと思われたのか知りたい。短いながら、いい番組に仕上がっていた。
・細かいところだが、ナレーターのセリフで少し残念なところがあったように思う。例えば、「雨上がりの朝はいつもより手はずが、ひとつ増えてしまうが、それは仕方がない」。「仕方がない」と言う必要があるのか。「手作業でラインを引くのみ」の言葉では、「のみ」はどうだろうか。細かいところが気になった。
・ドローンの空撮映像は、きれいに撮れていた。
・いままでと違う「新プライド」だった。これまでは知られている職業を取り上げていたのに、今回は白線を引く作業の方を取り上げられたことが感動的だった。見ていて引き込まれてしまい、20分間の番組があっという間だった。
・高校生に見せたい。これから就職について考えている高校生に、このような番組を見てもらう機会があればいい。18歳ぐらいだと将来、何になりたいか決めている人はごく稀であり、目標がある人の方が珍しい。仕事をやってみて、その中で大切な何かが見つかることを若い人に知ってほしい。
・このような番組をシリーズ化されて、心に残る番組が新しく生まれればいいと思う。
・今までの新プライドを見てきた中で、視点やとらえ方が違い、すごく新鮮で心が打たれた。
・視聴後、人生観や仕事観について、あえて説明してはいないからこそ心に響くものがあった。教育的な教材としての価値があるのではないか。
・番組構成では20分間という番組の時間的なこともあるかもしれないが、いわゆる説明っぽくならず、きちんと人物の生き方に焦点が当てられていた。分からない仕事の場合、仕事そのものの説明に終始してしまうことがある。今回は説明がなくても疑問を持たずに見られたのは、取り上げた人物の仕事に対する思いにフォーカスされていたからと理解している。「これはどんなことなのか」など、説明がないため、見終えた後に逆にジワジワと興味を持たせられる効果があるのかと思い見ていた。
・番組は放送された時に見ていた。映像も美しく、素直に感動した。これまで取り上げられた方と違っていた。民放のドラマと並んで評価(ギャラクシー賞入賞)されたのは、演技ではなく、人物そのものをうまくキュレーション(特定のテーマで編集)してあったからではないか。一般の人が輝く番組となっていた。
・「夢ってないといけんがかな...、この職業を選びました」というような言葉があった。いまの若い人が学生時代にこの仕事をしたいと思い、就職する人がどれくらいいるのかと思った。どんな仕事でもこんな風に働きたいとか、どのような人間でありたいかを考えさせられる番組だった。人物の謙虚な姿勢が勉強になった。
・いままで取り上げられたよく知られたプロフェッショナルではなく、プロとして仕事に取組んでいるからこそ魅力的だったように思う。どんな仕事でもプロフェッショナルになれるという隠れたメッセージがこの番組にある。
・全体的に素晴らしく、心に響く番組だった。だれしも白線を引く作業の光景は見たことはあると思うが、そう気に留めたことはなかったように思われる。スーパーの駐車場の白線作業を含めて、一般の人がそんなに心にとめないところに焦点を当てて、番組をつくられたところが見る側に感動を与えたのではないか。
・立山黒部アルペンルートと一般道で白線を引く作業がどのように違うのか、立山の作業の大変さに興味を持った。そのような説明があれば良かったのではないかと思われた。
・番組はあっという間に見てしまい、中身の濃い内容だった。ナレーターが「どんな仕事にも意味がある」から始まり、この番組はどんな仕事を扱うのかワクワクして見た。
・学校現場では今年からキャリア教育が始まっている。新聞には子どもたちの将来の夢を紹介している欄があるが、キャリア教育はどんな仕事に就くかではなく、番組で取り上げた仕事をとおして訴えているように「どんな仕事でも誇りを持ってやれる」「苦しくても頑張れる人になりたい」という人間性を育てる教育をいう。そのような意味でもこの番組は素晴らしい教材になると思う。
・今年はコロナの影響で「14歳の挑戦」ができなかった。この番組を見て、なかなかできない体験を間接的にでも見られたらいいと思われた。
・最後に、仕事は地味でも苦しくても、楽しくやれば結果が出てくるという最後の締めくくりも良かった。
・大学生に対するキャリア指導では、社会のインフラにかかわる仕事を具体的に教えることは難しい部分がある。会社概要やパンフレットには、仕事の具体的な内容まではほとんど説明されていない。番組では、取り上げた人物をとおして考え方や仕事の内容などが映像に明確に表されている。大学生にとってもインパクトが大きいと思う。
・地味な仕事かもしれないが、社会の仕組みの中でかなり貢献していることが、映像をとおして見た人に伝わってくる。
・番組は20分間という時間だったが、いつの間にか終わっていた印象だった。内容的には、人間像、考え方、仕事に対する取組みが強く伝わってきた。短い時間でよくまとまっていた。
・小学生、中学生、高校生、大学生を含めて、映像をとおして伝えられる。ほかの仕事も継続して映像化してほしい。
・私的なことだが長年、野球をやってきた。練習前にバッターボックスやコーチャーズボックスなどの線引きをやっていたが、最後の仕上げで思うように引けない経験がよくあった。公の場所で、一回できれいなラインが引けるのは、かなりの技術や鍛錬が必要ではなかったかと思う。そのようなところにもスポットを当ててほしかった。
■その他の制作活動、要望など
・Web上でのアーカイブ公開などは課題も多いと思うが、ハローキッズの幼稚園や保育園を紹介している部分をエリア別にまとめて公開することはできないか。
・「ニュースで英語塾」では講師が丁寧に発音などを教えており、取り上げるテーマも良いだけに、出演している生徒役の高校生の発音が少し気になった。このような番組を制作する際は今後、教えてもらうことで上達する様子も大切にしてほしい。
・定点カメラ映像の配信について、他の場所を映した映像を同じ画面で流すなど工夫をしてほしい。
・災害や大雪など有事の際はドローンを活用するなど、よりリアルな映像を撮影し、視聴者に的確な情報を届けてほしい。
・先日の大雪の際、122chの鉄道運行情報(L字テロップ)が役立った。今後も県や市、鉄道会社など関係各所と連携し、視聴者にリアルタイムな情報を届けてほしい。
・小学校ではプログラミングや英語の授業が始まった。それらを学ぶ子どもたちをフォローできるような番組を検討してほしい。
・コロナ禍により芸術文化に関わる人たちの発表の場が失われている。その人たちにもスポットを当てた番組を制作してほしい。
・成人式は3月や5月に延期されたり、式典そのものが中止になったりした地域もある。それも踏まえて新成人やその家族に向けた番組ができないか。
・2022年度より成人年齢が18歳に引き下げられる。それに対する高校生や教育現場の声、取り組みを番組で取り上げてほしい。
・コロナ禍で芸術文化の発表の場が少なくなっている中、県や芸術文化協会では感染対策をとりながら「富山県民芸術文化祭」を行った。当日の公演は富山県ケーブルテレビ協議会を通して、県内のケーブルテレビ局でも放送してもらい非常に良かった。
・以前番組で取り上げていた影絵師のジャック・リー・ランダル氏(アメリカ出身)が2月に行われた「とやまこども舞台芸術祭」に出演された。報告しておきたい。
・教育現場では最近ICT教育が積極的に取り入れられている。ビデオカメラを使って撮影や取材を行う授業があったり、児童生徒1人ずつにタブレット等の情報端末が支給されたりしているようだ。その視点から番組で取り上げてほしい。
・新型コロナの流行を契機に、教育現場ではリモートによる学校間交流が盛んになった。ぜひ番組で取り上げてほしい。
・「ふれあい健康講座」は講師のちょっとしたアドバイスがとても役立つ。今後も続けてほしい。
・番組づくり全般において、教育と結びつける視点を大切にしてほしい。
・例えば、雑誌のようなものを毎月発行するなど、ケーブルテレビ局がどんな事業を行っているのか、県民に積極的にPRする機会があってもいいのではないか。
以上